ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2016.6.4 14:59

Hanadaの対談「テレビは偏向しているか」

Hanadaの小川榮太郎氏と田原総一朗氏の対談、
花田編集長が司会するニコ生の動画で見ていたのですが、
対談というより、一方的な主張をする運動家と、それを、
諭しながら聞いてあげる翁、という感じで・・・。

小川氏は、権力擁護したいから『安保法制についてテレビが
どれだけ《反対》に時間を割いた報道をしたか、その偏向を
知らしめたい!』(!!??)ということしか考えておらず、
田原氏が落ち着いた様子で話し始めても、話を遮ったり、
「それちがうよ(笑)」「ちがうって(笑)」
と馬鹿にして声をかぶせて笑ったり。
それで、序盤から田原氏が、
「この人、ぜんぜん人の話聞かないよ!」
と何度かキレそうになり、あえて花田編集長のほうを向いて、
対話しない小川氏だけを相手にしないよう、形式の工夫を
することで、90分間続くんだけど・・・。
そんな田原翁の丸さをもってしても、私は小川某氏の失礼さに
ついてゆけず、見ているのが疲れてやめてしまいました・・・。

でも明日の道場での参考にしたいと、雑誌を買ってきて、
さきほど活字のほうを読みました。
ずいぶん普通に対談したようにまとめられていました。
動画のほうの小川氏は、
「岸井(成格)さんは逃げた! 逃げた!」
と執拗にこだわって何度も言いまくるのですが、
田原氏は冷静で、
「(あなたのこと)どうでもいいと思ってるんじゃないの?」
「よっぽど嫌われているんだね」
と強烈な皮肉を言っていたし、自分がこの場に出てきたからといって
「(対談を受けなかった)ほかの人のこと(理由)はわからないよ」、
つまり、おまえ勝手なことばかり言うんじゃないよ、と何度も
きっちり釘を刺していたのですが、誌面を見ると、岸井氏が逃げた、
というのが強い印象に残る書き方。
なんだかなあ。

小川氏は、ひたすら、テレビは公平に、賛成意見も反対意見も
同じ時間だけ報道せねばならず、安保法制に9割もの反対意見を
報じたのはおかしい、テレビが政治活動をしていることになる、
などと訴えて、高市「電波停止」発言を擁護するのですが、
そもそも、
報道の主要な役割は、『権力の監視』であるという、
シンプルなことがわからないのでしょうか・・・。

もっとも不可解だったのは、小川氏の下記発言でした。

「安保法制の時、自民党の支持率は下がらないのに、政権や法案
の支持率は下がりました。つまり、国民は長期的に見て、ほかに
入れる野党がいないからと自民党を支持したけれど、短期的には
報道に流されて政権や法案は支持しなかったわけです。仮に支持率
が低いままだったらその判断は間違いではないのでしょうが、その後、
上がっている。ということは、その時の判断が間違っていたということ
でしょう」

・・・???
そういうわけで、テレビは権力者への反対意見も賛成意見も、
同じ時間だけ材料を流して国民の判断を促すべきだ、と。
そもそも、いまの日本の「支持率の上下」ってなんなんでしょう。
あれだけ『民主主義とはなんだー!』のデモがテレビで取り上げられても、
盤石な現政権があるというのが現実。

あすの道場、そして、『民主主義という病い』を読み終えての、
次回道場へとつながる議論、来られない方も、要チェックです。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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